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引導を渡される時

今は車に乗っていて任意保険にも入っているけれど、昔、原チャリに乗り始めたときは、自賠責は強制ということで入っているけど任意保険には入っていなかったのです。そもそもそのころは事故なんか起こすなんて観念はまったく無く、またそのとおり大きな事故には会わずに切りぬけていたのですが、とうとう引導を渡される時がきてしまいました。
別に事故でもないかもしれません。渋滞の道で停止している車列の左を抜けていて、ちょっと止まったとき、側溝の溝がちょっと段差があって右の乗用車の腹に原チャリごと倒れ込んでしまったのです。怪我なんか無く車に少し傷が付いた位でした。

    さて、そのころの自分、車への傷がそんなに重大だとは思ってもいませんでした。降りてきた持ち主は自身の頬にビンタ食らって血を流すのと同じように、いやそれ以上に怒っているのです。今は、ま、分かるのですが、当時の若い身にはちょっとオーバー過ぎる感じにとらえられて、かえってこいつはバカなのか、サギか、筋モノか、なんて思えてしまいました。で騒ぎになって警察到着です。ナンバー控えの後、保険を聞かれます。胸張って自賠責だしたら、任意の方はと聞かれます。無いというとその場の雰囲気が一変しました。今から思えば、あーあ大変だ。という感じですね。
    結局親戚の叔父さんがきてくれて車の持ち主と交渉。
    後日談ですが、その親戚の叔父さん。苦労したようです。相手は金だけよこせ、と言い始めたそうで、それはバカ見るので、修理工場を通すことにして、それもその車のメーカー直の工場。がっぽりな見積り金額がきたので直接工場に赴き、また別に知合いの間で修理に関する相場も聞いてまわり、ま、メーカーは高いけど、それは名前料。ということで納得し、車の持ち主に工場に回送してもらい修理、代車、引き取りしてもらったそう。
    だから任意保険がなかったばっかりに、金もかかって飛び回る足と時間もかかって、とっても大変だったと、それから十数年たった今も、酒を飲むと叔父は恐いかおをして睨んでくるのです。

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